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インタビュー

新時代の多様化するニーズに応えたスタンダードボトル

竹本笑子氏、竹本えつこ氏

竹本容器株式会社/代表取締役社長、同/執行役員企画開発担当

---- 昨秋来の世界同時金融危機は、国内外の経済活動に今なお深刻な影響を与えています。その点では、けっして将来を楽観視できる状況にはまだありませんが、本誌ではこの金融危機を大きな時代の変化を加速する1つの機縁となるものと捉えています。その兆候は、すでに様々なかたちで現れ始めていますが、変化として最も身近に体現されてくるのがプロダクトマーケットであり、殊にパッケージであると思います。近代包装史50年とともに、独自のデザイン性を追及したスタンダードボトルの製造・販売を他に先駆け、徹してきた貴社ならそうした実感もより強いのではないでしょうか。

竹本笑子 そうした実感を強くさせられる1つが、現在当社が保有する1500型を超えるオリジナルデザインの成形金型です。約60年に渡り当社が培ってきた大きな財産であることは間違いありません。私自身は、2005年1月に代表取締役社長に就任してからまだ5年ですが、特に容器・包装の需要を支えるプロダクトマーケットの様相が急速に変わりつつあることは今、身を持って感じているところです。いうまでもなく、少子高齢化による人口構造の激変や生活スタイルの変化にともなうもので、プロダクトのライフサイクルの短化やニーズの多様化などが顕著に現れてきています。こうした変化の速さは想像以上で、新しい成形金型の設計・製造などでは、これまで年間50~60型だったのが100型近くにまで増えています。変化のスピードといった点では、現在保有する1500型の成形金型が足かせとなることもありますが、逆に昭和30~40年代に流行したボトルスタイルなどが、あらためて好評を得るというケースなども出てきています。また、これまでは独自の成形金型を保有していた大手の食品や化粧品メーカーなどからも、確実にスタンダードボトルの受注をいただくようになってきています。

---- すでに国内人口は緩やかな減少に転じており、超高齢社会の現出などを考えれば、分野を問わず将来な需要規模の縮小は否めないというのが共通認識です。それだけに新しい需要の創出が求められるところですが、ご指摘のようにニーズの変化から、大手といえども生産現場では多品種小ロット化が急速に進んでいます。こうした状況下で、自社でオリジナルの成形金型を持つことは負担が大きいのでしょう。かといって、多様化が進むプロダクトマーケットではパッケージでの差別化は必須ですからね。かなりジレンマを抱えていると思います。

竹本笑子 新しい需要の創出が命題となるということでは、企業規模の大小を問わず、コストパフォーマンスのあるパッケージでの差別化に注力するのは当然といえるかもしれませんね。その点では、当社の創業時と似ているかもしれません。

竹本えつこ 当社では創業以来これまで、オリジナルのデザイン性を追及したスタンダードボトルという独自路線を進んできました。容器設計・開発スピードの短化や成形金型コストの負荷軽減といったことをメリットとして、これまでスタンダードボトルの優位性が評価されてきたことは間違いありません。そうした優位性を生かしつつ、さらに当社のオリジナルデザインが、どこまでお客さまが求める差別化をマーケットで訴求できるかが、当社の独自の技術・ノウハウであり、飽くなきその追求に使命があると思っています。当社では現在、スタンダードボトルをカスタマイズする手法の1つとして、シルクスクーン印刷や真空蒸着、転写、UV塗装、ホットスタンプ、パッド印刷、シュリンクフィルム、ラベルの8つの加飾技法を有しています。先ほど触れました1500型の成形金型とこの8つの加飾技法を組み合わせることで、お客さまの多様化するニーズに応えたオリジナルなデザインを自由に生み出すことができます。特に昨年辺りから、シュリンクやラベルでのデザイン表現といった要求が増えてきているのが特徴です。またデザインだけでなく、時代ニーズに応えた機能性ボトルとして地球環境への配慮、子どもや高齢者などにも配慮したユニバーサルデザインといった要求に積極的に応えているところです。すでにチャイルドプルーフやカートリッジ式の詰め替え容器シリーズ(Re-Use)など実用新案のものも多く、着実に品ぞろえを拡充しつつあります。機能性の他にも、バイオプラスチックなどの新しい樹脂素材の開発にも注目しており、かなり早い段階からバイオプラスチックでの製品化にも挑戦しています。これまで広く利用されてきた1500型に及ぶボトルスタイルにも、こうした新しい機能性や素材、設計技術を積極的に取り込んでいきたいと考えています。

---- 顧客の新しいボトルスタイルの設計・開発にかかる時間とコストを軽減し、同時にプロダクトマーケットでの差別化を訴求するところに、貴社のスタンダードボトルの強みがあるわけですね。そのコア技術はやはり成形金型となると思いますが、金型の内製化といった考えはありますか。

竹本笑子 当社は1996年に中国・上海に現地法人「上海竹本容器包装有限公司」を設立しました。様々な困難はありましたが、幸いにも中国での需要は拡大しており、2004年には昆山に「竹本容器(昆山)有限公司」を設立しました。間違いなく、5年以内に日本の竹本容器の生産数量を抜くでしょう。いうまでもなく中国での竹本容器グループの強みは、"ジャパンクール"といったデザイン性はもとより"ジャパンクオリティ"となる高い品質によるところが大きいと思います。その点では、ご指摘のように成形金型が"肝"となりますので、これまで金型メーカーの発掘、育成にも力を入れてきました。すでに中国では400型ほどの成形金型を有しており、中国国内での良質の材料調達や部品加工の精度もだいぶ整ってきたと思います。上海竹本容器包装と竹本容器(昆山)はあくまで中国国内需要向けの製造・販売というのが竹本容器グループの方針ですので、製品輸入といった考えはありません。しなしながら、更にお客さまメリットを追求した価格競争力などを考える上では、国内生産工場の合理化を目指すとともに、中国での日本仕様の金型製造といったことも、視野に入れていくつもりです。