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インタビュー

新しい可能性を発揮できる環境整備が必要

冨島達也氏

(とみしま たつや)
株式会社ギンポーパック
取締役 東部営業本部長

----- つい先日、新聞を読んでいて「未来は、自己自身の胸中の一念にこそある。約束されたバラ色の未来などない。そのための努力なくしては、幻想である」との言葉が目に止まりました。もちろん包装産業だけに止まることではありませんが、私たちが現在置かれている環境そのものが、それを如実に物語っています。
 現今「約束されたバラ色の未来など」を期待する人は誰もいないでしょう。かといって、「努力なくしては、幻想である」との覚悟で新しい挑戦を始めている人はどれほどいるでしょうか。本誌は創刊から約2年間、様々な取材活動を通じてそのことを実感してきました。全体としてはまだ感じられませんが、企業や人といった個々の次元では意識変革が現れ始めてきたことは確かです。

冨島) 今、最も大事な視点だと思います。特に"リーマン・ショック"以降のこの2年間は、低迷する景気の原因をすべて"金融危機"に押し付け、包装産業全体が甲羅に縮こまって、ほとんど何もしてこなかったように思えます。さすがに、このままでは「約束されたバラ色の未来」どころではなく、企業の存立基盤さえ失いかねないという、"危機感"が芽生えてきたのでしょう。
 それは、当社とてけっして例外ではありません。貴誌でも報じられていましたが今後、"ノントレー化"のような動きが進むことは間違いなく、そのことが存立基盤を危うくしないとは限りません。果たして「このまま内需に依存していてよいのか」「これまで同様、容器・包装サプライヤーとしての事業範疇に止まっていてよいのか」「ギンポーパック本来の存立基盤とは何なのか」など、様々な疑問を自身に問い掛けているところです。「いつまでも問い掛けているだけではダメだ。行動せよ!」と言われそうですね(笑) 
 いうまでもなく包装産業といっても企業の集合体であり、その企業といっても所詮はそこにいる人に尽きると思っています。まず人が変わらなければ、望む未来はありません。その意味では、若い人たちの人材育成とともに、新しい可能性が存分に発揮できる環境を整えてゆくことの必要性も強く認識しています。

----- まさしく、冨島さんご自身が「未来は、自己自身の胸中の一念にこそある」ということを体現されようとしている。本誌は、すでに貴社が幾つかの新しい挑戦を始めていることも承知しています。独自の高発泡技術を用いた「パルファイン(PUL FINE)」の新しい展開として、「パルファイン」容器を用いた電子レンジでの炊飯調理を進めていますね。
 個食化ニーズに応えた、1食分の炊き立てご飯という非常に興味深い提案ですね。また、今秋(2010年)に中国内陸部の都市を視察訪問されたようですね。将来的な中国マーケットへの進出といったことを、考えてのことでしょうか。古典には「夫(そ)れ賢人(けんじん)は安(やす)きに居(い)て危(あやう)きを歎(なげ)き、佞人(ねいじん)は危きに居て安きを歎く」とありますが、賢人の"危機感"とは先んじた行動に結ぶものだと思います。

冨島) 中国への視察訪問についてはまだ、何か具体的な試案などがあってのことではありません。「認識なくして評価なし」と言いますが、まずは自身の肌で中国の現状を感じ、正しく認識することが大事であると考えています。視察中にちょうど、日本では反日デモが大々的に報じられていたようですが、現地ではデモ一色といった感じはまったくなく、また強い反日感情を感じるといったことはありませんでした。
 何事であっても、現地に赴かなければ正しい認識を持つことは難しいということでしょう。ましてや、企業の未来を担うような大事な挑戦となればなお更のことです。年内にもう1度中国へ視察に行く予定ですが、ビジネスとしての難しさとともに巨大な需要が潜在しているということを実感しています。
 中国全土を1つのマーケットとして一応に考えることはできませんが、すぐに需要として見込まれる富裕層に限ってみても、日本の総需要を超える規模があります。たとえば、その中での電子レンジの普及率は日本以上に高く、電子レンジでの炊飯といった潜在ニーズは大きいと考えています。日本への中国人旅行客の間で、炊飯器がここ数年人気No.1の家電製品であることはご存知の通りです。
 電子レンジでの炊飯調理による、1食分のでき立てご飯といった提案は、これまでの容器・包装サプライヤーとしての領域を超えています。むしろBtoBからBtoCに近づく提案だと思っています。異なる分野のプロフェッショナルたちとのコラボレーションによって、一体となって新しいプロダクトをマーケットに提案するというものです。
 大事なことは、マーケットに必要とされているモノであるかであり、社会に貢献できるモノであるか、といった視点です。それに応えたモノをいかに供給するかであり、当社が容器・包装サプライヤーであり続ける必要性はないと思っています。そうした大きな変化の転換点に立たされているという認識を失ってはなりません。

----- まったく同感です。冒頭紹介した言葉は、こう続いています。「また、絶望と暗黒だけの未来もない。それは、戦いを放棄した受動的人間のあきらめの産物だ」と。未来を創造する意思を持つ人たちには、面白い時代を迎えているといえましょう。