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ニュースフラッシュ

テトラパック:充填包装ラインの操業コスト削減

2010.05.20

 テトラパックは、全充填包装ラインの操業コストの削減を目指した、独自のコンサルティング・サービス「OCR(オペレーショナル・コスト・リダクション)」を提供する。OCRは2008年のサービス開始以来、世界中で60社以上の80にわたるプロジェクトで実践され、平均12%の操業コスト削減を達成している。顧客満足度の向上とともにテトラパックと顧客間の長期的なパートナーシップ構築に寄与しているものだ。
 OCRはプロセス全体を見直し、改善可能項目を絞り込んだ上で実施する1つのコスト削減作業で、同社が独自に開発したFI (フォーカスト・インプルーブメント、分野を絞った改善)と呼ばれ る手法を取り入れている。工場内の特定の箇所に焦点を絞り改善を行い、通常、総システムコストの5〜15%を占める充填包装ライン全体(人件費、保守点検費用、光熱費など)の操業コストを削減、生産量や生産ラインの稼働を向上させる。
 具体的には、飲料メーカーとともに節減可能な項目と効率向上を見込める分野を洗い出し、各社に合った独自の改善計画を立案する。原料やユーティリティ、過剰な廃棄物の減量、製品切り替えや洗浄、それに伴う設定時間や稼動停止を抑制することが可能になる。OCR導入により達成できる年間節減額は、かかるコンサルティング料を上回るもののようだ。
 OCRは、日本の製造現場WCM(World Class Manufacturing)の業界基準と、その関連ツールおよび方法論に基づく取り組みである。TPM(Total Productive Maintenance「全員参加の生産保全」)ツール や技術を基礎として開発されたツールと手法を、同社の加工処理や充填包装ラインを稼働する工場に合わせてカスタマイズする。それは、以下の3つのステップで進められる。

(1)コストマッピング/ロス分析(全充填包装ラインの操業コスト一覧を作成し、徹底した分析により操業コストの構造全体を把握)
(2)内容分析と目標設定(節減可能な項目洗い出しと操業コストの影響度を考慮し、実施項目を決定)
(3)プロジェクトの実行(TPMのツールと技術を導入し、取引先で編成したチームによるプロジェクトの実行)

 この3つのステップにより、人件費や保守点検費用、光熱費などの操業コストに影響する要素を可視化し、把握することができる。2008年に最初のOCRを終了したサウジアラビア・SADAFCO社の最高執行責任者のスティーブ・サザーレイ氏は「OCRの実践により、製品在庫を少なく抑えて稼働できる上、必要に応じて同一設備で今まで以上に製造量を増加することができます。今後は、OCRで習得したポイントや手法を、工場内の別の箇所でも実施していきたい」と語る。