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大日本印刷:ICタグによるレンタルコンテナと内容物の一元管理

2010.09.13

n_20100913_05.jpg 大日本印刷は、イフコ・ジャパンと共同で折畳み式のレンタルコンテナに独自開発したICタグを装着した、レンタルコンテナと青果物との情報の一元管理システムを構築した。農林水産省が推進する新技術活用ビジネスモデル実証・普及事業に基づく取り組みで、同省の助成を受けて開発を進めてきたものだ。今回の実証実験で、イフコ・ジャパンが農協などの集出荷業者と青果物の加工業者にICタグのリーダライタ一式を貸与し、流通過程でのレンタルコンテナの適切な出荷・回収の運営の検証を実施したものである。
 青果物の多くは段ボールで搬送されているが、組み立てに手間がかかるだけでなく、積載時の潰れや雨による強度劣化などによって、青果物の品質が損なわれるケースがある。また繰り返しリユースできるプラスチックコンテナと違い、ワンウェイの段ボールでは焼却によるCO2の発生など、環境の面でも課題を残す。近年では、青果物の流通でのプラスチック製レンタルコンテナの利用が広がっていることも事実である。
 一方、レンタルコンテナでは、流通過程で正規にレンタルコンテナ会社に返却されずに在庫不足が発生するなど、その迅速な回収など適切な管理が求められてきた。こうした課題に対応すべく、イフコ・ジャパンとの共同でUHF帯ICタグを折畳み式のレンタルコンテナに装着し、コンテナの貸出・返却・在庫状況を可視化する。
 また、コンテナで搬送される青果物のトレーサビリティ情報(生産者、品種、等級、重量、受入時間など)を、コンテナ単位で一元管理できるシステムを構築したものだ。青果物の商品情報やコンテナの出荷・回収情報についてはDNPが運営するデータセンターで管理される。折畳み式のレンタルコンテナに装着する1枚のUHF帯ICタグのユニークIDを活用し、2つのシステムを構築することで、コンテナと搬送される青果物のトレーサビリティ情報の一元管理をする。
 1つはコンテナ管理システムで、個々のコンテナの貸出・返却・在庫状況のほか、洗浄履歴などを管理し、コンテナの出荷・回収業務の効率化を実現する。レンタルコンテナの在庫管理については、いつ、どこに、どれだけレンタルコンテナが配送されたか、という情報を関係者間で共有することにより、迅速な回収を促進するもの。
 2つ目は青果物入出荷管理システムで、コンテナで搬送する青果物の商品情報をリアルタイムで把握し、生産者や品種、等級、重量、受入時間など迅速なトレーサビリティを実現する。開発したICタグは、風雨や冷温・高温など、どのような気象条件にも対応したもの。優れた耐久性や防水性、落下や振動に対する耐性を有している。折り畳まれたコンテナをパレットに積み上げた状態で、貸出単位となる275枚を一括読取をできる。
 今回の実証実験では、これまで外食産業向け加工業者にルートを限定していたものを、量販店向けなどにも拡大するとともに、同システムの本格的な運用に向けて、イフコ・ジャパンで扱う全てのレンタルコンテナに順次ICタグを導入していく予定である。