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凸版印刷:国内初、ICタグ用アンテナの紙器へ直接印刷法

2010.09.04

n_20100904_02.jpg 凸版印刷は、国内で初めてUHF帯ICタグ用のアンテナを、フレキソ印刷を用いて包装などの紙器へ直接印刷する技術を開発した。従来のスクリーン印刷で生産された紙器向けのUHF帯ICタグアンテナに対し、約30%減の価格を実現する。2010年度内には同技術の検証を終了し、2011年4月からの量産開始を目指す。
 これまで紙器向けに用いるICタグは、エッチングもしくはスクリーン印刷などの製法ではPETフィルムなどの表面にアンテナを形成し、その上にICチップを実装したインレットと呼ばれるパーツを製造し、別工程でラベル加工して、紙器へ取り付けられるものだった。
 同社が開発したのは、紙器へのソースタギング技術で、紙器を印刷する際の一般的な手法であるフレキソ印刷を用いて、印刷機側の条件の最適化とインクの組成の最適化により、印刷時にUHF帯ICタグ用のアンテナを同時に形成するものだ。これにより、従来手法と比較して、加工・取り付けの手間やコストを大幅に削減することができる。
 作業負荷の低減を目的として、UHF帯ICタグを活用した流通・物流管理が確実に拡大している。長距離通信が可能なUHF帯ICタグを実現するためには、ICタグのアンテナサイズを大きくする必要があった。そのため、フィルムなどの基材を含め、使用する材料が増えるためコスト削減が課題であった。紙器へのソースタギング技術では、紙器へデザインや文字を印刷する際にUHF帯ICタグアンテナも同時に印刷するため、製品製造段階でICタグを商品や紙器などへあらかじめ取り付けることが可能になる。
 これにより、従来必要だった取り付けコストや加工費の大幅な削減が実現できる。紙器に印刷・形成された印刷アンテナに、印刷アンテナへの実装が容易なICチップ付ストラップ部品を装着することで、高性能なUHF帯ICタグとして使用することができる。印刷アンテナ用に独自設計したアンテナのため、高い通信性能を持ち、使用済みのICタグから銀を回収し、再利用することも可能である。従来のエッチングでのアンテナ製造と異なり、製造工程で廃液の発生もない。