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《編集部発》「Snack Attack」は想定外?想定内?

2010.09.21

n_20100921_02.jpg 何がクレームとなるか、想像も及ばない。「Snack Attack: Chip Eaters Make Noise About a Crunchy Bag」とは、2010年8月18日付けの米国「ウォルストリートジャーナル(THE WALL STREET JOURNAL)」紙に掲載された記事のタイトルである。フリトレー社(Frito-Lay)が販売するスナック菓子「サンチップス(Sun Chips)」のパッケージ(ピロー包装)が、食べる時に騒音を発するというものだ。
 とはいえ、パッケージから発する騒音(Make Noise)である。どの程度が許容範囲か。身近ではミネラルウォーター「いろはす」をヒネル時に発する音などが想像できるが、確かに奇異な音をそれなりに発するともいえなくはない。スナック菓子のピロー包装が音を発するとすれば、開封時か、ハンドリング時か、食べ終わって折り畳む時くらいか。
 米国人はスナック好きであり、だいぶ食べるシーンや食べ方にも違いがあるのは確かである。騒音問題となったのは公共の施設や映画館、機内、職場など閉ざされたシーンであるようだ。日本人では、そんな場所で食べる人はまずいない。たまに電車で食べる若年層を見かけることはあり、それなら音は気になるかもしれない。文化の近いだけでは片づけられないかもしれない。
 音の原因は、包装材の素材選択によるもの。環境意識が先行してコンポスト可能なパッケージを売りに、バイオマス素材のポリ乳酸(PLA)に切り替えたものだ。国内でも、ラミネートフィルム包装材の一部としてPLAなどのバイオマス素材を使用するケースは徐々に増えているが、それのみでの使用には現実的な課題を残す。主には内容物の特性に応じた機能が包装材には求められるからだ。
 また国内関係者に聞くと、「サンチップス」のようなPLA素材同士のラミネートフィルムでは、通常の包装材に比べてガサガサという音を発すると指摘している。つまり、国内の包装サプライヤーではすでに「騒音問題」が起こる可能性は確認済みであったということである。もちろん、フリトレー社もある程度は想定内であったかもしれない。
 しかし、ここまで話題となるとは想定しただろうか。それは、国内とても同じであろう。想定内か、想定外かといった問題ではなく、こうしたマーケットの反応から何を学ぶか。このことを、いかにチャンスに結び付けるのか。「転んでもただでは起きない」と同じ意味の言葉「All's grist that comes to his mill」が米国にもあるようだ。ここは知恵の見せ所である。

 
※参考
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703960004575427150103293906.html