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伊藤園:茶殻を配合したマッチを開発

2011.05.23

n_20110523_02.jpg 伊藤園は、神戸マッチと共同で独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用し、微粉化した茶系飲料残渣(茶殻)を配合した「茶殻入りマッチ」を開発した。茶殻入りマッチは、「茶殻入燐寸(マッチ)」(1パック12箱入り、希望小売価格238円)というブランド名で、神戸マッチが 、2011年5月20日から全国で発売する。
 マッチの頭薬部分に、硫黄や燃焼補助材などの代わりに微細な茶殻を用いて燃焼性を付与したマッチである。一般的に廃棄されていた茶殻をマッチ素材の一部に使用することで、硫黄や燃焼補助材などの使用量削減および茶殻の有効活用につながるもの。硫黄を使用しないことで独特の匂いも解消できる。また、マッチの軸木(アスペン)に茶殻のエキスを染み込ませることで、消臭効果のあるマッチ「茶殻入燐寸 消臭タイプ」(1パック12箱入り、希望小売価格286円)も合わせて開発している。
 年の茶系飲料の需要増に伴い、製造工程で排出される茶殻の量は年々増加している。同社では「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を地球環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究を推進しており、茶配合製品(畳、せっこうボード、ベンチ、フィルム、封筒、紙ナプキンなど)を開発するなど独自の「茶殻リサイクルシステム」を確立する。
 一方、神戸マッチは「お客様の増客に貢献する販売支援」「地球、人に優しい製品を供給する生活文化創造」という基本理念のもと、マッチやポケットメモ、ポケットティッシュ、コースターなどの事業展開を行っている。マッチの軸木にアスペン※を利用するなど、環境に配慮した製品開発を行っており、環境に配慮した新たなマッチを模索していた。
 茶殻リサイクルシステムの「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」というコンセプトと、両社の「地球環境に配慮した製品づくり」という考え方が合致し、"日本人に馴染み深い緑茶(茶殻)"を活用した茶殻入りマッチの開発に至ったものだ。茶殻は昔から一般家庭で、畳掃除や消臭剤などに利用されてきた馴染み深いものだ。
 しかし現代では、茶殻のもつ消臭性や抗菌性などを活用する意識が薄れ、茶殻は廃棄物という認識が多数を占めている。同社では、茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることにより、社会で「茶殻=廃棄物」ではなく、身近な有用資源であるという考えを定着させ、「茶殻=有用資源」という意識付けに役立てたいと考えている。

※柔らかいために利用しにくく、また生長量に対して伐採量が少ないため、大部分は利用されずに放置されている木材