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ニュースフラッシュ

凸版印刷:日本初バイオマスPEを使用した包装用フィルム

2011.08.10

n_20110810_08.jpg 凸版印刷は、国内では初めてとなるバイオマスポリエチレン(PE)を使用した、包装材用フィルムを開発した。サトウキビ由来の原料を一部に使用し、最大で40%のバイオマス比率(重量比)を持つフィルムである。植物由来の原料を使用しながら、耐衝撃性および易カット性など各種物性では従来品と同程度を保持する。すでにヘアケア商品などの詰替用スタンディングパウチとして採用されている。
 同社では2011年8月から本格的な販売を開始する意向である。バイオマスプラスチック製品全体で2015年度には120億円の売上を目指している。
 この開発のノウハウを生かし、バイオマスPEを他製品の包装材料として展開を図るとともに、バイオマス高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ乳酸(PLA)、バイオマスPETなど、バイオマスプラスチック材料を用いたパッケージ開発も積極的に推進する考えである。
 同社は、「地球温暖化防止」および「石油使用量削減」に向けた取り組みの1つとして、1991年からバイオマスプラスチックを使用した包装材料の開発・商品化に取り組んでいる。2000年にはポリ乳酸を用いたバイオマスパッケージを開発し、家電製品の外装材で採用された。以降、食品業界や服飾業界などでも多数の採用実績を持つ。
 バイオマスポリエチレンは、石油由来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を、サトウキビ由来のLLDPEを一部に使用したフィルムに置き換えることで、石油使用量の削減を実現する。例えば詰替スタンディングパウチの場合では、全体の約75%を占める石油由来のLLDPEの1部をサトウキビ由来のLLDPEに置き換えることで、焼却処分時のCO2排出量を最大で40%削減できまる(※1)。
 従来のPEフィルムと同等の物性や加工適性を備えており、シャンプーなどの日用品や調味料などの食品の包装材用途に適している。
 
※1)代表的な構成の本製品1kgを焼却した時のプラスチック由来のCO2発生量は2.95kg。製品のバイオマス度が40%の場合、バイオマス由来のCO2発生量は1.25kg。バイオマス由来のCO2はカウントされないため、1.25/2.95=42.4%の削減になる。インキや接着剤由来のCO2を加味すると、最終的なCO2削減効果は約40%となる。