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ニュースフラッシュ

三菱樹脂:可塑剤溶出量を抑制した業務用ストレッチフィルム

2012.03.07

n_20120307_02.jpg 三菱樹脂は、可塑剤の溶出量を大幅に抑制できるポリ塩化ビニル製の業務用食品包装ストレッチフィルムを開発した。可塑剤には、業界では初めてとなる植物由来原料を主成分とした素材を採用している。同社では、スーパーマーケットなどの生鮮食品や加工食品の包装などに使われる業務用ストレッチフィルムのトップブランド「ダイアラップ」を製造している。
 業務用ストレッチフィルムの素材は、主にポリオレフィン系とポリ塩化ビニルの2種類があり、一般的なポリ塩化ビニルのストレッチフィルムには、柔軟性や粘着性を高める目的で約3割程度の可塑剤が添加されている。そのため、脂分の多い加工食品などを包装した場合、微量ながらも可塑剤が溶出することが確認されている。
 もちろん、溶出については食品衛生法と業界自主基準により、人体に影響がない可塑剤の溶出量と種類が規定されており、同社製品もこの基準を厳守している。その上で、同社は消費者へより安心・安全な商品の提供をすべく、溶出量を抑えかつ植物由来原料を使用した製品の開発を行ってきたものだ。
 開発したポリ塩化ビニルのストレッチフィルムは、植物由来原料を主成分とする可塑剤を使用することで、フィルムが食品の脂分などに接した場合にも可塑剤の成分が溶出しにくい。その溶出量も、同社従来品と比べて約半分になるが、包装適性などの品質面は同等レベルである。この可塑剤の変更によりフィルムの剛性が向上し、フィルムの厚みも薄くなったことから、同社従来品と比べて製品重量が約1割減となっている。同社では、同製品の市場での性能評価を行った後、2012年秋にも販売を開始する予定である。
 
(※)一般的にポリ塩化ビニル製品の柔軟性などを高めるために添加されている物質。酸とアルコールから合成される化合物であるエステルが一般的。また厚生労働省により、様々な溶出試験で溶出量が規定され、可塑剤の溶出が最も多いとされる溶出試験(疑似溶媒:n-ヘプタン/試験条件:25℃×60分)を実施した場合、ポリ塩化ビニル製の包装フィルムでは、溶出量が150ppm以下と定められている。