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ニュースフラッシュ

《新刊紹介》デザインのココロ

2013.05.21

落ち込んだとき
ラッキーと思うこと。
それは落ち込んだ
マイナスの人の気持ちが
わかるということ。
他人のたらないときの
気持ちがわかれば
商品開発のコンセプトの
芯が発見できるから。

 これは2013年6月に発刊される「デザインのココロ」(六耀社)に、加藤芳夫氏が描くパッケージの妖精に添えられた言葉の一つである。どれくらいのつき合い年月から「長い」という表現になろうか。ある日ある時、何か互いの求める心の鉱脈に当たれば一瞬に"時空"を超えることもある。
 その意味で長いつき合いとなる本誌には、いかにも加藤氏らしい「イラスト」であり、「言葉」であり、「本」であると思う。この本は一体、何と称したらよいのだろう。サントリーで数々のブランド開発を手掛けてきただけに、「その手法やノウハウか?」。いや経験談に基づく「エッセイか?」。
 だいぶ近づきつつあるが、「そのものずばり!」ではない。「詩!」である。"氷山の一角"といえるブランド開発の、海下に沈んだ巨大な人生(エネルギー)の塊が溶解し、詩となって表れたものに違いない。その導き手となったのがパッケージである。
 加藤氏は、本のはじめに「僕がさまざまな人の言葉を聞いてきたり、いろんな本の言葉を読んできたりしたことを、パリのカフェで偶然出会ったこの妖精が引き出してくれた」と記している。その意味で、この本を理解するには一筋縄ではいかないが、真摯に向け合えば自然に巨大なエネルギーの一端がmどんどんと流れ込んでくる。
 これは、"PACKAGING WORLD"に詩を持ち込んだ初めての本である。それは本誌が求め続けているものであり、目指している"パッケージの世界"でもある。加藤氏は「デザインするココロとは、人からモノが生まれてくるということ」という。ブランド開発に限らず、この本にある開発と創造の泉を是非とも掘りあててみてほしい。
 
 
本のかたち:B6変型判、224頁、1色
本体価格:1,260円(税込)
著者:カトウヨシオ
巻末:パッケージデザインとの出合いから、ヒット商品を生み出したサントリーデザイン部、舞台裏エッセイを掲載。
 
【著者プロフィール】
 1953年名古屋生まれ。1979年愛知県立芸術大学デザイン専攻卒業。同年サントリー株式会社デザイン室入社。1989年頃より飲料事業のアートディレクター、2002年デザイン部長を経て現在、サントリー食品インターナショナル株式会社ブランド戦略部シニアスペシャリスト、クリエイティブディレクター。主な開発ブランドとして、鉄骨飲料、BOSS、サントリー天然水、C.C.レモン、デカビタC、DAKARA、なっちゃん、丸茶、伊右衛門、ペプシネックス、金麦、のんある気分など。1998年日本パッケージデザイン協会理事、現在副理事長。愛知県立芸術大学・東京藝術大学・桑沢デザイン研究所などの非常勤講師。2008年から多摩美術大学グラフィックデザイン学科非常勤講師をつとめる。1995年日本パッケージデザイン大賞・金賞、2000年同賞金賞、2003年同賞大賞など多数受賞。2012年国際パッケージデザインアワード ペントアワード名誉賞殿堂入り。