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三菱樹脂:無錫に高機能フィルム工場を竣工

2013.08.12

n_20130812_01.jpg 三菱樹脂は、中国・無錫市に子会社の無錫菱樹農用薄膜材料科技有限公司(無錫菱樹社)の工場が完成したことを発表した。無錫菱樹社は、中国・江蘇省に設立した農業ハウス用高機能フィルムの製造・販売の子会社である。
同社の農業資材事業は、子会社の三菱樹脂アグリドリームが農業ハウス用フィルム等を製造し、主に国内を中心に事業展開している。一方、中国ではすでに日本の70倍以上の施設園芸面積を有し、かつ今後も施設面積の拡大や農業ハウスの大型化、近代化に伴うフィルムの高機能化が見込まれている。
 そうした背景から、同社は中国で普及が期待される長期使用性(2〜5年)を有する農業ハウスの外張り用ポリオレフィン系フィルム(以降、農POフィルム)を現地で生産し、中国市場に供給するべく約20億円を投じて、現地子会社を設立したものである。
 そして農業ハウス用高機能フィルム場の建設工事を進め、2013年春に工場が完成し、8月から営業運転に入ったものである。その開業式には、無錫市や無錫市錫山区、錫山経済技術開発区の幹部他関係者、工事関係者、中国の顧客など、総勢約80人が出席した。
 社長の姥貝氏は「高品質、高性能な製品をより低コストで提供し、中国での安定した農業生産、安全安心な食品づくりに貢献してまいりたい」と述べた。また」無錫菱樹社董事長の大林氏は「歴史と伝統、自然環境にも恵まれたこの無錫で、お客様のため、従業員のため、中国のため、日本のために貢献できる会社を目指し、努力してゆく所存です」と述べた。
同社グループは、農POフィルムを農業ハウスの外張り用フィルムとして中国市場に広く供給していく。同時に三菱樹脂アグリドリーム社が2011年から中国で実証実験を行っている太陽光利用型植物工場向けのフィルムとしても使用する。
 これら中国での農業資材関連事業の拡大に向けて積極的に取り組んでいく考えで、錫菱樹社の2015年度に20〜30億円の売上を目指している。
 
(※)三菱樹脂アグリドリーム社の太陽光利用型植物工場は、人工光を用いた完全閉鎖型の苗生産装置で苗を育て、その苗を農POフィルムなどの高機能フィルムを使用して環境条件を制御した農業ハウス内に移し、養液栽培で周年計画的に野菜を生産するシステム。