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ニュースフラッシュ

ハイデルベルグ:ハイデル フォーラム21

2014.10.05

n_20141005_03.jpg ハイデル・フォーラム(HDF)21の第17回全国合同地区大会及び高付加価値セミナーが2014年10月2日、都内の品川プリンスホテル(アネックスタワー)で開催された。ハイデル・フォーラム21の事業報告のあと、ハイデルベルグ社ボードメンバーのハラルド・ワイマー氏が「米国印刷市場の最新動向」とのタイトルで講演した。
 また今回は、そこに「未来を破壊する(Disrupting the Future)」の著者の一人であるジョー・ウェブ博士が招かれ、「印刷と印刷ビジネスの進化する役割」とのタイトルでの講演があった本誌では常々、世界(殊に先進国)が直面する課題は多く共通することを指摘してきた。
 米国の視点で語られるウェブ博士の話しは、まさしくそれを裏づけて余りあるものであった。同時に「近年の印刷市場の低迷(縮小)は単に経済由来のものではない」(主旨)との言葉には勇気づけられた。博士は、その背景に「メディア革命」を挙げられていた。
 メディア革命の底流には、世界に共通する人口動態や社会構造の変革、価値観の転換といったことがある。博士の言われる「未来を破壊する」とは、それらを無視して「印刷(包装)の未来はない」ということであろう。また博士が掲げる「印刷の新たな役割とは?」は非常に示唆的であった。
 
◎印刷物は特別なアイテムになりつつある。
◎印刷市場に「主流」はない。
◎印刷物の目的は他のメディアの効果を高め、メディア戦略として目的を達成する手助けをすることである。
◎デジタルメディアによる最初のコミュニケーションが視聴者に伝わらない場合、印刷物を視聴者の注意を引くための2度目のアプローチとして活用する。
 
 ハイデルベルグ・ジャパンの代表取締役社長である水野秀也氏が最後に挨拶に立ち、ウェブ博士を講師に招き「未来を破壊する」という印刷業界にとって厳しい未来を示唆するテーマをあえて選択したかについて語っていた。事実、博士は「新しい設備投資の考え方」についても、「慎重に行い、十分な活用した後に新たな設備を行う」としていた。
 設備メーカーのハイデルにとっては心苦しいところであろうが、厳しい現実を直視して正しく認識することでしか、未来を創造的に拓くことはできない。水野氏の危機感による講師の選択であるが、本誌はこうした覚悟のあるセミナーテーマこそ今時、最も大事であると考えている。
 ただ水野氏は「まだ米国に比べ猶予がある内に準備を」との認識のようだが、むしろ日本は積極的に、世界を世界を先駆ける"先進課題企業"を目指すべきだと思っている。