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ニュースフラッシュ

凸版印刷:レンジ加温で外箱が開口

2014.10.21

n_20141021_03.jpg 凸版印刷は、電子レンジ用機能包材「楽ラクレンジシリーズ」の新製品として、電子レンジで外箱ごと温められる「蒸(じょう)できパウチボックス」を開発した。食品やメディカルフーズ業界などに向け、2014年11月上旬から販売を開始する。
 食品の入ったパウチとその外箱で構成される電子レンジ調理用パッケージである。通常、パウチのままレンジ調理する食品は、加熱すると袋内部の温度が高まり蒸気が発生する。この蒸気による内圧で袋が破裂するのを防ぐため、蒸気孔が設けられている。
 レンジ加熱時の内圧を蒸気孔から逃がす特殊構造のパウチを使用し、蒸気圧によりパウチが膨らむ力を利用して外箱が開口する、ミシン目を加工した独自構造の外箱を開発した。これにより調理前に外箱を開口する手間が省け、また調理中に開口した部分から熱が逃げる仕組みである。
 パウチには独自開発の透明ハイバリアフィルム「GLフィルム」を使用し、アルミ箔に匹敵する高いバリア性を実現している。外箱を開口しないままレンジで加熱が可能な高付加価値製品「ゼロアクション」と、外箱の1箇所を押すだけでレンジ加熱が可能な従来品と同価格帯「ワンアクション」の2製品を開発した。
 超少子高齢化や共働き夫婦の増加に伴い、生活者での時短、簡便調理、健康志向へのニーズが強まっている。常温で長期保存が可能なレトルトパウチ食品の市場は年々拡大しており、その包材市場は2014年に約230億円規模と推察される。
 レトルトパウチ食品は、店頭での訴求性向上などの観点から、パウチのままではなく紙の外箱に入れた形体での販売が多い。パウチのバリア性や構造技術、外箱の設計技術を上手く組み合わせることで、レンジが持つ簡便性をより高め、安心・安全に配慮したレンジ調理用パッケージである。
 同社では、「蒸できパウチボックス」をはじめとする電子レンジ用機能包材「楽ラクレンジシリーズ」を、レトルト食品や介護食など機能性食品メーカーに向けて拡販する意向である。2017年度にシリーズ全体で約30億円の売上を目指している。