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《編集部発》包装業界に止まらない視野の広さを

2015.06.21

n_20150621_01.jpg 専門展示会では、思わぬものを見つける。先日の「Cafe Show 2015」では、パーソナルユースの消火器「消棒miny」(4,298円)を見付けた。「そんなもの?!」と思う人もいるかもしれないが、消火器も、あの携帯電話と同様にパーソナルに備えておく時代なのだ。そうなると何か変わるかといえば、サイズはもちろんだが、やはり使い勝手やデザインがガラリと変わる。
 これは一見すると、電話の子機にもみえる。ただ小さくて美しいフォルムだからといって、能力が落ちるようでは「消火器」とはいえないし、また限界もあることを知っていなければならない。ドライアイスでお馴染みの二酸化炭素仕様の消火器である。まだ随所に考える余地はだいぶあるように思う。
 電気火災などの初期消火には有効なものだが、利用用途は多いに違いない。油火災などでは油が飛散する可能性が高いので適さないが、火を消すということでは二酸化炭素なので問題はない。また通常の消火器のように消火剤が飛散するということがないので、消火後の掃除は簡単であろう。
 
(1)安全装置を引き抜き
(2)本体底部を強くたたくと赤いLEDランプが点灯する
(3)これで準備完了で、あとは頭部のボタンを押して放射する
 
 実は、これは自動車仕様(消棒RESCUE)として生まれたものだと聞く。自動車メーカーや車種によっては標準装備されているものあるようだ。車仕様では、ただの消火器ではなく、「いざ!」というときのためのシートベルトカタッターと窓ガラスを割る破砕先端部付きである。
 今はゲリラ豪雨で車の浸水事故といった報道が少なくなったが、一時期は非常に多かったことを記憶する人もいるだろう。その当時に、包装界の恩師といえる1人の方が、やはり包装専門展でこの「車の脱出用の器具を売ろう」と話していた。
 そのとき、本体は消火器ではなく懐中電灯だったが、同じく他の2種の機能を備えてものであった。結果的に、その方は病で亡くなり、それは実現しなかった。ただ自らの属する業界の狭い視野に偏らず、視野は常に広く持ち、社会の動きをも感じながら、臨機に対応できる柔軟な考えを失ってはならないことを伝えたかったに違いない。そんなことを思い出した。