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日本水産:PA特化の鹿島医薬品工場新設

2015.12.21

 日本水産は、ファインケミカル事業の基幹工場の鹿島工場の隣地に、新たに鹿島医薬品工場を建設する。中期経営計画「MVIP2017」の一環となるもので、2018年の稼働を予定し、投資金額は総額80億円を見込んでいる。設備能力は、医薬品原料年産420トンで、200Lドラム缶製品保管量は最大720ドラムとなる。
 すでにEPA医薬原料や食品向け素材として機能性脂質(EPA・DHA)やフィッシュコレステロール・キトサンオリゴ糖など、化粧品素材としてN-アセチルグルコサミンやオレンジラフィー油など、幅広い製品を生産し、現在のファインケミカル事業の中核生産施設として稼働している。
 新設する鹿島医薬品工場は、医薬品原料としてのEPA生産に特化し、長年にわたり培ってきた高純度EPAの抽出・精製技術を結集させた最新の生産設備を導入する予定である。今後、予測される国内外のEPA医薬品市場の拡大に備えて、とくに海外への医薬品供給には不可欠のcGMP基準による品質・生産管理を実施し、世界最高水準の品質と生産性を追求する。
 原料の魚油から製品まで一貫して取り組む、同社独自の供給体制のもと、同工場と既存工場を合せて、ファインケミカル事業の拡大を支えていく考えである。これらにより同社は、世界一のEPA原体メーカーを目指すものである。
 
【新設工場の特徴】
(1)将来の海外輸出を視野に、cGMP基準対応とし、高品質で安全かつ高生産性の生産施設。
(2)原料の魚油から高いEPA回収率を実現し、さらに低いEPA含有濃度の原料魚油からでも高純度EPAの製造を可能にする。これにより原料魚油の選択範囲の拡大が可能となる。
(3)精留過程で使用する熱源には、熱効率のよい高圧蒸気を使用。高温のプロセス液冷却で得られる熱エネルギーを回収して蒸気を発生させ、これを熱源として有効利用するなど環境負荷を低減。
(4)製品保管倉庫は自動倉庫とし、製造所からの無人搬送車による自動搬送設備と組み合わせて、入出庫作業を省力化。また免震ラックを採用して、地震の揺れから製品を守る。
 
(※)cGMP(current Good Manufacturing Practice):「最新の医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準」。医薬品の製造にあたり、承認を受けた規格どおりに安定した高い品質の製品を生産するため、原料の受入から製品の出荷までの製造工程全般にわたる管理と工場の建物や機械設備の配置などについて、人為的なミスをなくすために定められた基準。