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《編集部発》「申年」の実りとは

2016.01.14

 まさに賀詞交歓会のシーズンである。直近で参加した幾つかの工業会の賀詞交歓会は、
いずれも熱気に包まれており、少々明るい気に転じたことが感じられた。ただ率直にいえば、善きにつけ悪しきにつけ結果が明らかになってきたという感で、つまり企業間の格差が明らかとなりつつあるという意味での明るさであると思われる。
 日包工会長の大森利夫氏は、賀詞交歓会のあいさつで「申」の意味を引き、今年一年の意味といったことを明らかにした。もちろん「抱負」や「期待」を込めてのものであるが、それでも「何を為すべきときか」を明確にする上にも「とき」の意味を知ることは大事である。
 大森氏曰く「十二支はかつて中国で農業を行う際に暦として使われていた。申年の申は本来『しん』と読み、『伸びる』や『申す』という意味がある。漢書『律暦志』には『草木が伸び切り果実が成熟して固くなってゆく状態を示す』とある」との主旨。
 私見すれば、これまで取り組んできた実を結ぶ一年であり、当然に努力は必要だが、これまで流した汗以上にはならないということであろう。つまりある意味で、すでに勝負の着く年となりそうである。
 ただ人は不思議なもので成果が表れたときよりも、成果に向かいやるべきことが明確な方が気が高いといえる。それを象徴したのが経産省の発言である。中小企業の景況感はあまりよくないにもかかわらず、臆することなく産業政策が明確に語られた。
 大きくは2つで、TPPなどを背景にした企業海外進出である。主には国内技術の海外へのプロモーションと展開だ。もう1つは新たな産業活力を生むための設備投資支援(減税および補助金)である。今年、注目するのは以下の平成27年度補正予算に含まれる生産性向上関連である。
 
■ものづくり・商業サービス新展開支援補助金(1020.5億円)
?中小企業の革新的な商品・サービス開発、生産性向上ため設備導入を支援。
 農商工連携、地域資源等支援事業(30億円)
?農産品等を含む地域資源活用により行う商品・サービスの開発や販路開拓等を支援。
(1)サービス・ものづくり型 補助上限額:1,000万円
中小企業・小規模事業者が行うサービス開発・試作品の開発や設備投資を支援。
(2)生産性向上試作開発型 補助上限額:3,000万円
IOTを用いた生産性向上のための試作開発等に必要な設備投資を支援。
 
 とくに(2)の生産性向上試作開発型の補助上限額が3,000万円になったことで、包装機械関連には適したものであろう。ただし条件には話題の「IOTを用いた」とある。これは非常に興味深い試みである。
 本誌でも、ここ数年にわたり追いかけてきたテーマであり、3月には日本食品包装協会でのシンポがあり、また4月にはIOTの活用の最前線を学ぶためのドイツ視察を企画しいるところである。まさしく、これの生産性向上試作開発に直結する視察となろう。
 
(参考)http://www.meti.go.jp/committee/chuki/kihon_mondai/pdf/002_s01_00.pdf