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ニュースフラッシュ

《編集部発》原料原産地表示の拡大と自主回収リスク

2016.07.29

n_20160729_03.jpg 毎年夏の定例となっている、食品産業センターの報道関係者連絡懇談会。どの企業や団体組織も、定例による惰性の打破が課題となっているが、なかなか責任のともなう大胆な変更には二の足を踏む。
 踏んでいるうちに時が過ぎてしまうものだが、今夏の産業センターとの懇談会には変化が感じられた。
 本誌などの変化に鋭敏な報道関係者の意見に耳を傾けることが早いと思うのだが、当の報道関係が惰性に甘んじていることも少なくなく、反省とともに残念な思いもある。
 
 さて、今回の懇談会での目玉は目下小泉進次郎委員長の下に検討会が進められる「原料原産地表示の拡大」であった。さすがに、ここでも旧来の惰性を排するためには、雑多な意見を網羅した表示改正ではなく、やはり国内外の市場や生活スタイルの変化に合わせかつ、現実に即したシンプルなものにしてほしいものだ。
 産業センターでは、加工度の高い食品では実際に原料原産地表示のむずかしいものや、またTPPなどを踏まえ将来的な輸入輸出増を考えた場合には国際基準との整合性も問題になることが指摘された。
 
 国際基準となるCODEXでは原料原産地は表示すべき項目に入っておらず、原産国表示のみについて記載されている。「原料原産地表示を広範に義務付けている国はほとんどなく、日本と韓国のみ」ともいえる。
 もっとも「原料原産地表示」に関心を寄せるのは、われわれ生活者であるかもしれないが、それでもアンケートなどを摂れば、知りたいと思うのは「中国産か否か?」もしくは不幸なことだが、放射線の影響を懸念しての特定地域産である。
 むずかしい問題を孕んでいるが、"大岡裁き"のような知恵の光る検討会をしてほしい。ちなみに本誌が注目したのは、表示とは切れ離せない自主回収リスクの増加である。図表に明確だが、「期限以外の不適切な表示」の割合が大きく、また増加傾向にある。
 2番目に多いのは期限表示の誤記で3番目に微生物の増殖・混入、化学物質の混入が来ている。ただ「容器・包装不良」はわずか(最小)であることは(ゼロに越したことはないが)嬉しい限りである。