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ニュースフラッシュ

理研ビタミン:わかめ加工と種苗の生産・研究拠点を開設

2017.06.18

 理研ビタミンの連結子会社の理研食品は、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区に、わかめの加工及び種苗生産や海藻の基礎研究を行う「ゆりあげファクトリー」を開設し、2017年7月1日から稼働を始める。東日本大震災で甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした、名取市の水産業共同利用施設復興整備事業である。
 近年のわかめ産業を取り巻く課題として、1)気候変動による生産量低下、2)生産者の方々の高齢化、3)寒冷期の苛酷な労働条件での作業負荷などが挙げられる。とくに水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落ち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因の1つとなっている。
 同社は、「わかめの苗」ともいえる種苗の優良系統を選抜するために養殖水槽を開発し、それを用いて高生長種苗、早生(わせ)・晩成(おくて)種苗などの選抜技術開発に取り組み、一定の成果が得られたことから、「ゆりあげファクトリー」での実用化をスタートさせるものだ。
 これら優良種苗の安定生産で、その後の海上でのわかめ養殖の生産性が向上すると期待できる。また「早生種苗」や「晩成種苗」の系統を選抜することで、年1回であったわかめの養殖を将来的には2回に増やすことも研究している。
 わかめ養殖の安定生産及び労働の軽減化など、海藻産業が抱える課題について研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻産業の活性化に貢献するものだ。わかめ製品の前処理加工生産や海藻の基礎研究もスタートさせ地域の発展にも繋げたい考えである。