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カネカ:タイに発泡ポリオレフィン工場を新設

2017.08.04

 カネカは、東南アジア・インド地域での旺盛な需要に対応するとともに、さらなる事業拡大を目指してタイラヨン県ヘマラート・イースタン・シーボード工業団地にビーズ法発泡ポリオレフィンの生産設備新設を決定した。グループ会社のKaneka (Thailand) Co.,Ltd.が約20億円を投資し、年産3,000トンの生産設備を2018年9月に稼働させる予定である。
これによりマレーシア(Kaneka Eperan Sdn. Bhd.)の既存設備とあわせ、同地域の生産能力は年産6,000トン超となる。「エペラン」はビーズ法発泡ポリエチレンで、エペラン-PPはビーズ法発泡ポリプロピレンの製品名で、耐熱性や耐衝撃性、耐薬品性に優れた特長を持つ。
 家電製品・精密機器の緩衝包装材などのほか、バンパーコア材・シートコア材などの自動車部材にも幅広く用いられ、自動車の軽量化に貢献する素材である。 東南アジア・インド地域のビーズ法発泡ポリオレフィン市場は、2020年には自動車の生産台数の伸長と軽量化ニーズの高まりで自動車向け用途を中心に2015年比30%を超える成長が見込まれている。
 同社は自動車産業の集積地であり、ビーズ法発泡ポリオレフィンの同地域最大需要国のタイに工場を新設することで、既存の日本・欧州・中国・マレーシアに加えてグローバルな供給体制を拡充し、事業拡大を加速させる狙いである。 
 新設備稼動に先がけ、2017年10月にはマーケティング拠点としてKaneka Co.,Ltd.バンコクオフィス(仮称)を開設する。タイは自動車のみならず電機・電子製品、食品などの東南アジア最大の産業集積地であり、近年ではバイオ医薬、医療、エネルギーをはじめとした高付加価値型産業の導入・育成を積極的に推進している。