味の素：新包装工場が稼働開始
2017.08.08
味の素およびその連結子会社の味の素パッケージング（A・PAC）は、A・PAC社関東工場の老朽化に伴い、2016年に着工した新工場（関東包装工場）の稼働を順次開始する。これまで分散していた包装場を1ヵ所に集約し、工場内のライン数を大幅に削減する。
またロボットなどの活用による自動化を推進し、生産性（1人当たり）を従来の約1.7倍に高めるとともに、食の安全を保証する品質保証体制を強化し、一部工程では「JIA食品生産システム認証審査」に対応する。
A・PAC社は国内に3工場を有する味の素グループの包装機能会社で、関東工場は同社最大の拠点で、工場内の包装場は6ヵ所に分散され、かつラインが多岐にわたり手作業も多いことから生産効率が低く、生産年齢人口減少に伴う労働力確保も課題となっていた。
新工場では、約48億円を投じて販売品種や包装仕様の見直しなどによりライン数を大幅に削減し、1ヵ所に集約するとともにロボットなどの活用による自動化を推進し、従来に比べ生産性（1人当たり）を約1.7倍に高めている。これにより包装能力は年産約240万C/Sとなる。
具体的には包装工程で、仕様の異なる2ラインの対応を1台で行う多機能型ロボットを導入し、省投資、省スペースでの自動化を実現している。加えて、最終包装製品を集荷する際、無人搬送車を導入することで工場内の人の移動を容易にし、設備レイアウトの自由度を高めた。
また従来の味の素・川崎事業所の東側から、物流センターの隣接地に移設し、物流効率の向上を図っている。さらに工場内のゾーン管理によりコンタミネーション（汚染）や異物混入を排除するとともに、工場内外に品質保証カメラを設置し、入場管理を徹底することによって品質保証体制を強化する。
市場が伸長するスポーツサプリメント「アミノバイタル」の包装工程ではJIA認証にも対応している。新工場では、今後も生産現場での新たなロボット導入による自動化や、ICTの活用による帳票類の電子化、稼働状況の「見える化」などを積極的に進め、更なる生産性の向上を目指すとともに品質管理の徹底を図る考えである。
※「JIA食品生産システム認証審査」：FDA21CFR111（米国の栄養補助食品製造のガイドライン）をベースに構築されている食品衛生のプログラム。JADAによるアンチドーピング認証に必要な製造工程管理基準を指す。
