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ニュースフラッシュ

日立製作所:ブロックチェーン技術の活用

2017.09.22

 日立製作所は、とみずほフィナンシャルグループよびみずほ銀行と、サプライチェーン領域でのブロックチェーン技術の活用促進に向けた共同実証を、2017年10月から開始する。実証実験を通じ、サプライチェーン・マネジメントシステムでのブロックチェーンの実用化に取り組むとともに、サプライチェーン・ファイナンスの実現も検討するものだ。
 複数の国にまたがる資材の海外調達業務では、各拠点・各業務での受発注、納期に関する情報(台帳)の管理が複雑となっている。発注登録や注文書と請求書の照合・相互承認、総合的なコスト管理に時間を要するといった課題がある。
 この調達業務にブロックチェーン技術を活用することで、各拠点・業務間で受注・入金データを共有し、サプライチェーン全体の状況把握が可能となる。また部品の供給元などに関する情報を記録し、信頼性の高いトレーサビリティ管理を実現できる。
 今回の実証は、日立グループのグローバル・サプライチェーンの一部を対象に、ブロックチェーン技術の適用とその効果の検証を共同で実施するものだ。具体的には、グローバルで資材調達が必要な装置や部品などのサプライチェーンを、ブロックチェーン技術を用い統合的に管理するアプリケーションのプロトタイプの開発に着手する。
 同アプリケーションをIoTプラットフォーム「Lumada」(ルマーダ)上に構築し、日立グループの複数のアジア拠点での受注・入金データや部品に関する情報などの統合管理効果を評価・検証していく。これにより、同社は調達や在庫管理の業務効率を向上し負荷軽減を図るほか、受発注に関する迅速な意思決定が可能となる。
 またみずほでは、受発注情報に応じた迅速な決済や融資の提供が可能となるなど、企業側の受発注システムと銀行サービスをシームレスに連携させることで、サプライチェーン・ファイナンスへの応用が期待できる。加えて、受発注情報や決済履歴などのビッグデータ蓄積・利活用で、新たなビジネス機会創出にもつながる可能性もある。
 同社は、米国の非営利団体The Linux Foundationが設立したブロックチェーン技術の国際共同開発プロジェクト"Hyperledger"に参画するなど、ブロックチェーンへの取り組みを加速している。今回の取り組みをはじめ、IoTプラットフォーム「Lumada」の活用など、今後も新たな金融サービスを提供するデジタルソリューション事業に注力していく考えである。
 
(※)ブロックチェーン技術...分散型台帳技術。複数拠点に分散されたサーバなどの通信機器に、それぞれ同一の記録を同期させて1つの台帳を維持する仕組み。
(※)Lumada...日立の幅広い事業領域で蓄積してきたOT(Operational Technology)とITの融合により、IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とするIoTプラットフォーム。