味の素：国内調味料・加工食品生産体制を再編
2017.09.29
味の素は、総額約400億円を投資して調味料・加工食品の5つの生産拠点を3拠点に集約し、ICT・自動化などの先端技術を活用して効率を高めた最新鋭の工場を建設する。また継続的に最先端技術を効果的に導入することで、需要に柔軟かつスピーディーに応える世界トップレベルの生産の実現を目指すものだ。
同社は、重点戦略（2017?2019の中期経営計画）として日本食品バリューチェーンの再編を掲げている。顧客ニーズに応える製品を安全・安心に提供し、生活者の健康で幸せに貢献しつづけることを目的に、計画に則り新会社発足を伴う日本食品生産体制の再編を行う方針を定めている。
同社事業所の一部であるクノール食品および味の素パッケージングの生産体制を集約・再編し、新会社を2019年4月に発足させる予定である。あわせて川崎事業所内、東海事業所内に、自動化等のICT先端技術を活用した効率を高めた新会社の工場を新たに建設する。
竣工は、東海事業所内が2019年度下期となり、川崎事業所内が2021年度上期の予定である。2022年度以降、年間約70億円EBITDAを改善し、対象とする事業の事業利益率を約2％向上させ事業構造の強化を進める。
また生産体制の集約・再編、製造・包装一貫体制の確立並びにICT活用・自動化などの先端技術導入により、2021年度に生産工場の労働生産性を現状の約2倍に高めたい考えである。
食の安全・安心に応えられる徹底した品質管理と、社会のニーズの変化に柔軟に応えるべく、品種切り替え性に優れたプロセスを設計しフレキシブルな生産を実現する。最先端の省エネ技術等の導入により、フードロス削減、排出CO2極小化等、環境負荷低減も図る。
調味料・加工食品の製造・包装に関わる3社の技術部門を統合し、生産技術・知見を融合して技術力の向上を図る。世界トップレベルの生産を実現する製造・包装技術を開発・蓄積して、日本発で海外食品を含む当社グループの競争力強化を図る。
新工場では製造と包装の同期生産を指向し、原料・中間製品の在庫圧縮を図る。生産体制の集約・再編を契機に他社との共同物流を含む物流効率の改善に結びつけ、サプライチェーン全体で在庫を削減し資産効率の大幅向上を進める。
