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ニュースフラッシュ

豊田通商:完全養殖マグロの海外輸出

2017.10.06

 豊田通商は、近畿大学と持続可能な完全養殖魚を海外への本格な輸出を開始する。まずは、同社と近畿大学が生産する完全養殖クロマグロ「近大マグロ」と、近畿大学が技術支援する食縁で生産される完全養殖ブリの取り扱いから始める。
 今後は他魚種の取り扱いも視野に入れ、日本が誇る高品質で美味しい完全養殖魚の認知度を高め、海外での市場を切り拓いて日本の1次産業活性化につなげたい考えである。同社と近畿大学は、2010年7月にクロマグロの完全養殖事業での技術協力提携を結び、世界初のクロマグロの中間育成事業を開始している。
 2014年7月には、両社で水産養殖事業推進に関する覚書を締結し、クロマグロの人工種苗生産を開始し、同年12月には、成魚「近大マグロ」として生産販売を開始するなど、持続可能な完全養殖クロマグロの安定供給に取り組んでいる。
 この輸出事業は、同覚書で合意した取り組みの1つで、まずは東南アジアから輸出を開始し、2020年に約2,000尾の輸出を目指している。クロマグロは天然資源の枯渇が懸念され、2014年に絶滅危惧種に指定されるなど国内でも漁獲規制の強化が進んでいる。
 世界的に天然資源の保護に対する関心が高まるなか、持続可能なクロマグロの完全養殖が注目されている。またブリは主に日本近海で漁獲される魚種として国内での需要が大半を占めているが、近年の和食ブームにともない世界での需要が高まるなか、今後のさらなる市場拡大が見込まれている。
 同社は、引きつづき、中核事業の完全養殖クロマグロでの人工種苗の安定供給に注力しつつ、「近大マグロ」の卵から成魚までの一貫生産と海外販売および完全養殖ブリの海外販売を担う。近畿大学は世界に誇る養殖技術の研究・技術開発を担い、持続可能な完全養殖業の発展に尽力するものだ。
 同社と近畿大学は、人工種苗の安定供給と品質の向上を目指すとともに、完全養殖のトップブランド「近大マグロ」や、近畿大学が誇る養殖技術でつくられた完全養殖ブリで海外市場を開拓し日本の1次産業活性化に貢献したい考えだ。
 また食縁は、近畿大学の支援を受け、日本の養殖業の成長を目指して新規市場開拓に取り組み、世界の衛生基準に合致した工場でブリを中心に養殖魚の加工・販売を行う6次産業化事業体である。今後は近畿大学の種苗を使用して、国内の養殖業者が養殖した完全養殖ブリを、自社工場でフィレ加工し、冷蔵・冷凍製品として国内外への販売を目指す。