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DNP:低吸着包材による液体紙容器

2018.09.05

n_20180905_04.jpg 大日本印刷(DNP)は、長期の常温保存が可能な口栓付きのアルコール飲料向け液体紙容器「低吸着包材(液体紙容器)」を開発した。アルコールに含まれる香気成分のフィルムへの吸着を抑制し、風味を保持したまま保存できる紙容器である。
 同社では、持続可能な社会の実現に向けて、様々な課題の解決につながる機能を付与したDNP機能革新パッケージシリーズ「ADJUST PACKAGING」の開発を進めている。
 その食品分野で長年培ってきたフィルム製膜技術とラミネート技術を応用し、医薬品や化粧品などに含まれる有効成分や香気成分が吸着しにくいフィルムを使用した低吸着包材を開発したものである。
 2015年には、低吸着フィルムをポリアクリロニトリル(PAN)系からポリオレフィン系のフィルムに替えて、フィルム同士の融着強度を2?3倍に引き上げた「低吸着包材」を開発している。この低吸着フィルムをアルコール飲料用の大容量紙容器の最内層に使用し、耐久性を高めることができた。
 ただ清酒や焼酎など独特の香りを持つアルコール飲料では、香りを長期間保つために包材の低吸着性能が求められていた。今回、従来の「低吸着包材」の樹脂の配合量を見直すなど、低吸着性能をさらに向上させて酒類・飲料などの風味を長期間保持できる「低吸着包材(液体紙容器)」を開発したものだ。
 従来の「低吸着包材」と比較して低吸着性能が向上し、たとえば清酒中のカプロン酸エチルの低吸着性能が13.5%向上することで、清酒の風味の長期保持を可能としている。これは充填機などの既設生産ラインに対応可能で、設備改修や新規設備導入などの必要はない。
 清酒と芋焼酎の風味の保持性を確認するため、「低吸着包材(液体紙容器)」「低吸着包材」および「低吸着でない紙容器」で、充填から10日後の内容物の香り成分の残存率を測定して比較し、清酒や焼酎の香りの主要成分の酢酸イソアミルやカプロン酸エチルが他の容器と比較し多く残存することを確認している。